又吉直樹さんがなんとなく好きです。
なんとなくというのもなんですけど、
又吉さんの感じ方とか考え方とかが好みです。
「火花」は数ページで読むのを挫折しましたけども(笑)
さて、又吉さんが出演している
Eテレの「オイコノミア」という若者向け経済番組(wikipediaより)
をよく見ています。
又吉さん推しで。
7月7日の放送が
「分かって得する!原因と結果の経済学」でした。
経済学者の中室牧子さんが
もっともらしい通説は本当に正しいのか?などを検証しながら
私たちが陥りやすいワナ、パターン化された考え方を解説していました。
原因と結果を見極める意識を持つ
「通説」は私たちの周りにたくさんあります。
その中には正しいものもありますが、
中には「もっともらしい通説」で、実は正しくないこともかなりあります。
番組では、
「正しくないことを信じてしまって損をしないように」
見極めが必要だという流れになっていました。
通説の確かさを何で見極めるかというと
原因と結果の関係、直接の因果関係があるかどうか。
その見極めるチェックポイントがあるのだそうです。
それは次の3つ。
1.まったくの偶然
これはよく見られるものですが、直接の因果関係がないのに
さも「ある」ように関連づけてしまっているものです。
番組では、「地球温暖化によって、海賊が減った」というグラフを
紹介していました。
たまたまそういう傾向が見られただけで、直接の因果関係は
ないとのことでした。
グラフを見せられると、「正しいものなんだ」と
思い込んでしまいがちなんですね。
2. 第3の要因の見落とし
AとBの間に直接の因果関係はないが、間にCという要素があり、
それを介してAとBの関係が成り立っている、というものです。
番組では、「体力のある子は学力も高い」というものでした。
これは、A=体力のある子、B=学力が高い、で
それをつなぐのがC=教育に対する親の熱心さ、でした。
通説はたいてい、「AだからBになる」のパターンが多いですが
直接の因果関係がなければ、A → B は成り立たないのです。
でも、つい関係ありそう!と思ってしまいがちです。
3. 逆の因果関係の可能性
「AだからBである」が、実は「BだからAである」なのに
それに氣がつかない、ということです。
番組では、「警察官が多い地域は、犯罪が多い」を紹介していて、
これは「犯罪が多い から、警察官が多い」のです。
実際、現実的に確かめられていることなんですが、
さらっと聞いたり見たりしていると、鵜呑みにしてしまいやすいです。
私たちはついつい、やってしまっています。
「ん?」と立ち止まる習慣がないと、
情報として取り込んでしまって、正しいと信じてしまいがち。
因果関係+「自分の氣持ち」から始める
上で挙げたようなことは、外から入ってくる情報だけでなく、
すでに取り込んでいるようなことにも当てはめることができます。
小さい頃から言い聞かされてきたことや
自分で信じていること、などです。
因果関係を見極める、というのは
何もかも疑え!今まで信じてきたことは嘘だ!と思うんだ、
ということではありません。
「それは本当に意味のあることなのか?」
「自分に当てはまることなのか?」
を、立ち止まって、確かめてみるきっかけにするってことです。
例としてギャンブルが上がっていましたが、
「お金を儲ける」という意味では、ギャンブルで勝って儲ける確率は低いです。
お金を儲けるのが目的なら、別にもっと効率の良い方法はいくらでもあります。
ところが、「自分が楽しむ」のが目的であれば、
「ギャンブルをして勝つこと」で楽しくなるのなら、それでいいんです。
ギャンブルを勧めるわけではありませんけどね。
因果関係は事実がベース。
私は、それ土台にして「自分はどう感じるのか?」が大切だと思っています。
そこから始めると、今までの自分の考え方、感じ方を
改めて「うん、それでいいんだ」と肯定できたり
「あ、そうじゃなかった」と振り返ったりできるからなんです。
「そんな傾向があるんだ!」に氣づいていることが大切
ただ、自分に引き寄せてみると
過去の経験や、自分の都合に引きずられることも多々あります。
それを、私たちが陥りやすいパターンとして紹介していました。
- ヒューリスティックバイアス
心理学では、ヒューリスティックとは、暗黙のうちに今まで用いている
簡便な方法を使って意思決定することを示す。
バイアスは「一定の偏り」のこと。
つまり、経験則に基づく一定の偏り、を示す。 - チェリーピッキング
都合の良いものだけを取り込む 。
熟したさくらんぼだけを摘み取るという行為から来ている。
私たちは誰もが「自分なりのフィルター」を通して物事を判断しています。
そして、嫌なことは避けたいし、いいものは取り入れたい。
私たちは無意識にそうしてしまうパターンを持っています。
それはもう、誰でも同じ。
だから、「私たちはそうしがちなんだ」と氣づくのが大切です。
ただ氣づいているだけでいいんです。
それだけで、違う方法を選べます。
自分で考えた、自分で選んだことを大切にしてほしいと思います。
番組で言っていた「損得」の話だけではなくて
日常生活のいろいろな場面で使える方法だなと感じています。
改めて「自分で考える、選ぶ」ことを意識したいですね。