毎年、夏の週末には秋田の海へ通っています。
通うと言っても、サーフィンとかボディボードで
波に乗るわけじゃありません。
プカプカ漂ってのシュノーケリング。
盛岡へ来てから始めて、もう15年は通っています。
海のそばで育っていても、
波打ち際の海水浴しかしたことがなかった私。
海の中を見て楽しむのは、
大人になってから知った楽しみです。
泳ぐのは苦手ですが、
シュノーケルを使うと息をするのが楽なので
海面に漂いながら、
１〜２時間海の中を見るのを楽しみにしています。
これは６年前。今よりもう少しやせてたんだった…
思い込みで身体を縛っていたのがわかった
最初はシュノーケルすらうまく使えませんでした。
逆流防止機能があるにもかかわらず…
波をかぶるとシュノーケルの先から海水が入ってきます。
それをうっかり飲んでしまって咳き込むこともしばしば。
息ができない！という恐怖でパニックになりかけます。
そのたびに「次はうまくやらなきゃ」と自分を戒めていました。
誰も見ていないのに。
自分で決めた事・ルールを「完璧にやる」ために
知らず知らずのうちに身体を緊張させていました。
シュノーケルの扱いにも慣れてくると
身体を波に任せた時の感覚が今までと違うことに氣がつきました。
今までよりもずっと楽に漂っていられるし
それまでは自分のすぐ真下の様子ばかりを見ていたのが
周りの様子を初めて余裕をもって見ることができるようになりました。
そんな状態が10年以上も続いていました。
リラックスすると、いろいろ見えて来る！
泳ぐのはもともと苦手なので
足がつかないところにいること自体、そもそも不安。
なので、深くても水深２メートルくらいまでしか行けませんでした。
今年はなんとな〜く、もっと深いところにも行けそうな氣がして
いつもより沖まで出てみました。
深いところで水深５メートルくらいのところ。
最初はやっぱり不安でした。
ざわざわするというか…。
サメが来たらどうしよう！とか（皆無に等しい…はず！）
でも、呼吸をゆっくりして、身体の力を意識的に抜いていくと
様子はすっかり土左衛門状態（笑）
ところが、それと同時に周りにいる魚たちが目に入ってきました。
それまでは浅いところにいる根魚しか目に入りませんでした。
それが、海の中を悠々と泳ぐクロダイや
タイ、サバの群れが見えて来ました。
時には100匹近くの群れにも出会いました。
その魚たちが目に入ってきたのが、もう楽しくて楽しくて ！
魚の動きのしなやかさはもちろん、
ケンカしている様子まで観察できます。
中でも、タイの胸ビレが青く輝くのは本当にキレイ！
イメージですよ。
魚や海の生き物が、私が普段見ることができない海の中で
それぞれが一生懸命生きているのを見るのは、心底楽しい。
本氣で思いました。
心の底から湧いてきた「満足」
魚にも個性があるんですよ。
じっと見つめ返してくるもの、
近寄ってちょっかいを出してくるもの、
寄るなっ！と威嚇するもの、など
その様子は千差万別。
群れでいる魚も、その群れの中からチラチラと見返してきたり
興味深そうに寄ってきたりするのもいて、これもまた楽しいのです。
こいつチョロい、害がなさそう、と思われているんでしょう（笑）
時間を忘れて魚や生き物たちを見ていたら
ふっと「あぁ、私、今満足してる」という氣持ちが湧いてきました。
この満足、という感覚。
心の奥底からじんわりと湧いてきて、私を満たしていきました。
お金をもらうわけでもなく、
なにか美味しいものを口にするわけでもなく、
誰かから褒められるわけでもない。
そんなものとはまったく無縁だけど、
こんなにも私の心を満たしていくのは、
私が本当に楽しい、好きだと思うことに
存分に浸っている時なんですね。
私だけが感じる「満足感」でいい
秋田の海には、夫と一緒に来ているのですが
二人一緒に海の同じ場所に漂っているわけではありません。
海に入る時と上がる時は一緒ですが
中に入れば、時々どこにいるかを確かめるくらいで
その場にいるのは私一人。
本当に、私ただ一人の楽しみ。
このじんわりと満たされた感覚。
この感覚を、日常生活でも感じていられるようにしたいと思っています。
